【2024年最新版】食品業界の主要企業の株価と今後の見通しを徹底解説

直近では円安が更に加速しており、160円台にも到達しています。
原材料やエネルギー価格など更に原価が高くなることが想定されている中、各社の動きに注目です。

業界の現状

直近では円安が更に加速しており、160円台にも到達しています。
食品業界では原材料高やエネルギー価格高など原価高に影響が出てくるため、各社値上げラッシュとなっており価格転換の進展が今後も業績の鍵となりそうです。

目先はコスト増、長期的には人口減少による国内消費減少も懸念されています。
そのため、生き残りには海外展開が必須となり今後海外売上比率がどこまで伸ばせるか、どのような海外戦略を立てているかが投資をする上でも企業を見るべきポイントになります。

食品価格動向調査

 

食材

2001 ニップン 株価2,411円
【特色】製粉業界最古参、国内2位。業務用主体だが冷凍食品、健康食品など家庭用強化。アジア展開も
【連結事業】製粉32(6)、食品56(2)、他12(3) <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 329,566 10,331 12,620 8,608 112.3 36記
連22. 3 321,317 11,282 14,270 9,327 121.6 38
連23. 3 365,525 12,288 14,816 10,260 132.2 40
連24. 3予 405,000 22,000 24,500 25,500 327.0 56~65
連25. 3予 420,000 23,500 26,000 18,500 237.3 56~70
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 371,940
自己資本 210,285
自己資本比率 56.5%
資本金 12,240
利益剰余金 139,438
有利子負債 61,674
PER PBR 利回り 信用倍率
7.7 0.89 2.32 42.26

【積極的に買いではない】製粉は価格改定で利益増。会社営業益は保守的なため固めの営業利益目標となっている可能性大。
中食・総菜事業の生産管理などでDXが浸透し生産性が向上していることで継続的に利益率が上がりやすい仕組みが作られてきている可能性が高い。株価は上昇しているが、まだまだPBRは低く推移。1倍以上になるまでは買い。ただ、更なる原材料高により価格転換の必要性がある。数量を維持もしくは増やせるかが鍵となる。


2002 日清製粉グループ本社 株価2,054円

【特色】製粉で圧倒的トップ。食品もパスタ類強く、大手級。エンジニアリング展開、海外M&A積極化
【連結事業】製粉53(4)、食品24(3)、中食・惣菜18(2)、他5(12)【海外】33 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 679,495 27,197 29,886 19,011 64.0 37記
連22. 3 679,736 29,430 32,626 17,509 58.9 39
連23. 3 798,681 32,831 33,051 -10,381 -34.9 40
連24. 3予 850,000 51,000 52,000 33,000 111.0 42
連25. 3予 860,000 53,000 54,000 34,000 114.3 42~43
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 785,077
自己資本 475,603
自己資本比率 60.6%
資本金 17,117
利益剰余金 342,202
有利子負債 47,318
PER PBR 利回り 信用倍率
20.4 1.28 2.04 7.51

【積極的に買いではない】製粉の数量は横ばいだが価格転換の浸透により売上、営業利益共に増収増益。更なる原材料高により価格転換の必要性がある。数量を維持もしくは増やせるかが鍵となる。PERが短期的には上昇しているのが気になるため積極的に買いに行く銘柄ではない。

 

2602 日清オイリオグループ 株価 5,050円
【特色】02年日清、リノール、ニッコーの製油会社が経営統合。家庭用首位。東南アジアを拡大中
【連結事業】油脂(油脂・油糧)63(3)、油脂(加工油脂)21(4)、加工食品・素材12(1)、ファインケミカル4(6)、他0(10)【海外】23 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 336,306 12,324 13,836 9,244 278.3 80
連22. 3 432,778 11,670 12,648 8,595 265.2 90
連23. 3 556,565 16,186 16,242 11,157 344.3 120
連24. 3予 510,000 20,500 19,500 13,500 416.5 150
連25. 3予 530,000 22,000 21,000 14,500 447.4 180~190
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 389,929
自己資本 174,622
自己資本比率 44.8%
資本金 16,332
利益剰余金 127,335
有利子負債 96,129
PER PBR 利回り 信用倍率
12.1 0.94 2.97 1.93

【買い】柱の油脂事業は主原料大豆・菜種の歴史的高値の中で値上げでも堅調に推移。原料価格の安定も続いており、5月にはオリーブ油を家庭用で23~64%、業務用で60~80%値上げを実施予定。
株価は上昇を続けているがPBR、PER共にまだ低推移のため5月の値上げが大きな数量減に繋がらなければ更に上昇が見込まれます。

 

2109 DM三井製糖ホールディングス 株価 3,030円
【特色】製糖国内最大手。19年度以降営業外の薬ロイヤルティ大幅減。大日本明治と21年4月経営統合
【連結事業】砂糖85(0)、ライフ・エナジー14(2)、不動産1(17) <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 108,887 3,631 3,788 2,764 107.6 50
連22. 3 147,880 3,630 3,479 3,657 112.9 60
連23. 3 163,310 1,100 19,058 7,911 245.2 120
連24. 3予 173,000 5,000 10,000 7,500 232.4 120
連25. 3予 173,000 5,100 5,000 3,300 102.3 120
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 196,431
自己資本 110,206
自己資本比率 56.1%
資本金 7,083
利益剰余金 90,776
有利子負債 44,323
PER PBR 利回り 信用倍率
13.0 0.89 3.96 12.23

【積極的に買いではない】売上比率の高い砂糖の営業利益が出ていないのが気になるものの最大の産糖国ブラジルの生産復調で粗糖相場が沈静、国内相場上昇局面一服の公算が高く原価が抑えられる可能性も高い。ただ、円安の推移によっては読めない部分はまだまだ大きい。PER、PBRが共に低推移であるものの今後の円安の動向に更に注意が必要な銘柄。

 

2282  日本ハム 株価 5,156円
【特色】食肉国内首位。ハム・ソーセージも強い。生産から加工、販売まで一貫。海外や新規事業育成中
【連結事業】加工事業本部31(1)、食肉事業本部54(4)、海外事業本部14(-2)、他1(-3)【海外】13 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 税前利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
◇21. 3 1,176,101 47,060 48,874 32,616 318.0 94
◇22. 3 1,174,389 44,133 51,366 48,049 469.9 102
◇23. 3 1,259,792 17,859 22,162 16,637 162.4 110
◇24. 3予 1,300,000 39,500 40,000 27,000 263.1 112
◇25. 3予 1,330,000 42,000 42,000 28,000 272.9 113~117
【財務】<◇23.12>   百万円
総資産 957,219
自己資本 518,123
自己資本比率 54.1%
資本金 36,294
利益剰余金 387,846
有利子負債 234,244
PER PBR 利回り 信用倍率
19.6 1.02 2.17 1.55

【積極的に買いではない】春にロースハムなど低採算品中心に再値上げで営業益に影響する可能性が高い。
国内での肉の消費量は横ばいで今後は海外展開の売上比率を上げる戦略に注目が必要。現状は海外での比率は上がって来てはいるものの営業利益改善の施策が必要となりそう。

 

加工食品

2871  ニチレイ 株価 3,936円
【特色】冷蔵倉庫と冷凍食品で首位。第2の柱・低温物流は欧州でも成長中。水産、畜産も手がける
【連結事業】加工食品42(5)、水産10(1)、畜産13(1)、低温物流34(6)、不動産0(40)、他1(14)【海外】20 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 572,757 32,949 33,532 21,212 159.2 50記
連22. 3 602,696 31,410 31,667 23,382 176.7 50
連23. 3 662,204 32,935 33,448 21,568 167.1 52
連24. 3予 675,000 36,500 37,500 24,000 187.9 74
連25. 3予 688,000 38,500 39,500 25,300 198.1 74~78
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 508,690
自己資本 246,376
自己資本比率 48.4%
資本金 30,563
利益剰余金 199,371
有利子負債 113,712
PER PBR 利回り 信用倍率
20.9 2.04 1.88 1.29

【積極的に買いではない】冷食は値上げの中でも数量上向く。家庭用冷食はテレビCM投入で後押し、個食・プレートタイプ拡販狙っていくが、これが数量増になるかが鍵。広告宣伝費の原価だけが大幅に上がらないか注意が必要。低温物流は大型トレーラー活用した長距離輸送、集配の効率化を協力会社と進めるとのこと。運送費の原価率が下がっているかも注視していく必要がある。
海外売上比率はこの1年間でも上がっており、今後はここの比率を更に上げる戦略と営業利益率を上げる策が成長の鍵になりそう。PER、PBR共に高めの推移となっており積極的な買いは不要だが、現在の業績推移で株価が3,000円近くになれば買い。

 

1333  マルハニチロ 株価 3,075円
【特色】水産最大手。国内外に強固な流通網持つ。冷食・缶詰など加工食品も大手。畜産商事や化成品も
【連結事業】水産資源59(3)、加工10(3)、食材流通29(1)、物流2(6)、他0(45)【海外】23 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 862,585 16,208 18,130 5,778 109.8 40
連22. 3 866,702 23,819 27,596 16,898 321.1 55
連23. 3 1,020,456 29,575 33,500 18,596 363.7 65
連24. 3予 1,020,000 27,000 31,000 22,000 436.8 70
連25. 3予 1,030,000 29,000 31,000 19,000 377.3 70~75
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 698,480
自己資本 205,828
自己資本比率 29.5%
資本金 20,000
利益剰余金 124,694
有利子負債 309,360
PER PBR 利回り 信用倍率
7.0 0.75 2.28 11.79

【短期的な買い】25年3月期も食品が高水準を維持。利益稼ぐタイのペットフード復調。ただ漁業や北米の苦戦長引く。今後、旺盛な健康需要に照準をあてた商品発売を展開。この1年間で海外売上比率も4%上昇しており今後の海外展開も注目。PER、PBR共に低く推移しているものの有利子負債の比率が高く、財務状況に不安があるため短期的な買いはいいが、長期的な買いはお薦めしない。

 

2802  味の素 株価 5,775円
【特色】調味料最大手で海外も展開、コーヒーや冷凍餃子も強い。医薬用・食品用アミノ酸や電子材料も
【連結事業】調味料・食品57(11)、冷凍食品20(0)、ヘルスケア等22(17)、他1(-1)【海外】62 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 税前利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
◇21. 3 1,071,453 101,121 98,320 59,416 108.4 42
◇22. 3 1,149,370 124,572 122,472 75,725 139.4 52
◇23. 3 1,359,115 148,928 140,033 94,065 176.0 68
◇24. 3予 1,465,000 153,000 146,000 99,000 191.5 74
◇25. 3予 1,540,000 157,000 150,000 101,500 196.4 74~78
【財務】<◇23.12>   百万円
総資産 1,785,526
自己資本 805,939
自己資本比率 45.1%
資本金 79,863
利益剰余金 692,033
有利子負債 521,212
PER PBR 利回り 信用倍率
29.6 3.67 1.28 4.31

【積極的に買いではない】25年3月期は国内調味料、食品が改善基調。冷食伸長。買収会社のコスト負担がなくなるので増益が見込まれる。ただ、株価は既に高値で推移しており、積極的に買うような銘柄ではない。

 

2809  キユーピー 株価 3,160円
【特色】マヨネーズ、ドレッシングで国内首位。子会社にジャムのアヲハタ。持分会社にキユーソー流通
【連結事業】市販用39(6)、業務用36(2)、海外17(13)、フルーツソリューション4(2)、ファインケミカル2(9)、共通1(7)【海外】17 <23・11>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連19.11 545,723 32,048 33,275 18,698 130.7 45記
連20.11 531,103 28,303 28,989 11,378 79.6 40
連21.11 407,039 27,972 29,698 18,014 128.2 47
連22.11 430,304 25,433 27,249 16,033 115.3 47
連23.11 455,086 19,694 20,490 13,174 94.8 50
連24.11予 480,000 25,500 26,700 13,800 99.3 50
連25.11予 500,000 28,000 29,000 16,500 118.7 50~53
【財務】<連23.11>   百万円
総資産 426,006
自己資本 281,883
自己資本比率 66.2%
資本金 24,104
利益剰余金 209,740
有利子負債 27,984
PER PBR 利回り 信用倍率
25.2 1.55 1.58 0.33

【好 転】マヨネーズは値上げ効果で増勢。ドレッシングは数量増で牽引。業務用調味料回復、卵も利益改善進む。海外は中国、東南アジア着実。鶏卵や食油資材高の影響薄れ営業益好転。工場や設備関連特損。
【対 策】鶏卵は輸入や調達先開拓、在庫増やすなど対策強化。25年にインドネシア、タイの工場新棟が本格稼働、国内供給や輸出拡充へ。米国も東海岸での拡大に本腰。
【積極的に買いではない】インドネシアやタイの工場本格稼働による海外売上比率の増加が鍵となりそう。国内の値上げ効果は一旦落ち着く可能性高い。売上や営業利益は増加傾向になりそうだがPERが高く推移しており株価も高めで推移しているため、現在の株価では積極的な買いの場面ではない。

 

2810  ハウス食品グループ本社 株価 3,092円
【特色】カレールウ国内首位。飲料、健康食品も。海外は米国豆腐が柱。中国育成中。子会社に壱番屋
【連結事業】香辛・調味加工食品42(7)、健康食品6(12)、海外食品18(11)、外食18(5)、他食品関連17(2)【海外】22 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 283,754 19,397 19,820 8,733 86.7 46
連22. 3 253,386 19,227 21,125 13,956 139.8 46
連23. 3 275,060 16,631 18,253 13,703 140.0 46
連24. 3予 300,000 19,200 20,400 17,500 180.6 46
連25. 3予 317,000 21,500 22,700 15,500 160.0 46
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 428,633
自己資本 294,726
自己資本比率 68.8%
資本金 9,948
利益剰余金 229,979
有利子負債 6,380
PER PBR 利回り 信用倍率
16.6 1.02 1.49 0.70

【増益基調】海外苦戦続くが、国内はルウカレー製品など数量減でも値上げ定着。壱番屋も既存店好調。退職給付関連特益。25年3月期は国内香辛料・調味料は値上げ効果もあり伸び継続。海外はタイなど改善基調。外食も客数、単価増で伸長。増益基調。
【簡 便】バーモントは時短調理可能なペーストタイプを投入。米国豆腐は価格競争厳しくエリアやジャンル見直しテコ入れ。
【買い】国内メイン事業の香辛・調味加工食品が値上げにより利益率が下がっている傾向にあるが、株価に折り込み済み。
今後、値上げが定着して数量が戻ってきたら増収増益で伸びる可能性が高い。PER、PBR共に低めのため買い。

 

2801  キッコーマン 株価 1,958円
【特色】しょうゆ最大手でシェア約3割。北米が利益柱に成長。デルモンテ加工食品のアジア商標権所有
【連結事業】国内食料品製造・販売23(5)、国内他1(8)、海外食料品製造・販売20(19)、海外食料品卸売56(7)【海外】75 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 税前利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 468,119 42,613 41,464 28,828 150.2 45
◇22. 3 516,440 50,682 54,231 38,903 202.9 61
◇23. 3 618,899 55,370 60,797 43,733 228.4 78記
◇24. 3予 667,700 61,400 68,600 50,600 265.9 93
◇25. 3*予 700,000 67,000 71,000 51,800 272.2 *95
【財務】<◇23.12>   百万円
総資産 616,545
自己資本 453,760
自己資本比率 73.6%
資本金 11,599
利益剰余金 360,932
有利子負債 18,231
PER PBR 利回り 信用倍率
32.3 3.79 1.07 3.09

【最高益続く】海外は北米・欧州でしょうゆ、食品卸とも絶好調。国内は価格転嫁進む。為替関連益。25年3月期も海外が好調続き業績牽引。国内は値上げで減った数量が着実回復。子会社譲渡損ない。連続増益。
【第3工場】ウィスコンシン州に米国3カ所目の工場建設、26年秋稼働。初出荷までの初期投資は約430億円。4月に『デルモンテ』のトマト調味料など88品目値上げ。
【積極的に買いではない】業績は順調に推移しそうだが、それをおりこんだ形でPERとPBRが高めで推移しており、今後業績が予定通り伸びたとしても大きな変動にはならない。利回りも低く長期的な運用にはお薦めできない。

 

2897  日清食品ホールディングス 株価 4,146円
【特色】即席ラーメン先駆。カップ麺は国内シェア5割超。海外も米国軸に展開。日清ヨークや湖池屋も
【連結事業】即席めん関連81、他19【海外】37 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 税前利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
◇21. 3* 506,107 55,532 56,233 40,828 130.6 40記
◇22. 3* 569,722 46,614 49,182 35,412 114.5 43.3記
◇23. 3* 669,248 55,636 57,950 44,760 146.9 46.7
◇24. 3*予 730,000 77,000 79,000 55,900 183.8 *66.7
◇25. 3予 770,000 84,000 86,000 60,000 197.3 67~77
【財務】<◇23.12>   百万円
総資産 790,938
自己資本 479,944
自己資本比率 60.7%
資本金 25,122
利益剰余金 369,361
有利子負債 36,967
PER PBR 利回り 信用倍率
23.1 2.63 1.61 11.31

【連続最高益】国内は即席麺が原料高こなし増勢。乳酸菌飲料、ポテチも牽引。海外は欧米軸に伸長。25年3月期は海外鈍化でも伸び継続。国内即席麺は序盤に値上げ効果残る。飲料、ポテチも成長持続。最高純益。
【攻 勢】米国はマーケ費も投入し、1ドル超と当社では高めの価格帯の商品を若者に訴求。米国は25年8月、ブラジルは26年3月に新工場稼働、増強と効率化進める。
【買い】原料高による値上げでも純益になる事業基盤の強さがある。今後、海外展開を更に増強していくことで増収増益へ向かうと見られる。株価は決して安くはないが、長期的には買いの銘柄になる。

 

2875 東洋水産 株価 10,070円
【特色】戦後水産事業から出発。即席麺は国内2位。米国、メキシコでは圧倒的首位。チルド製品も展開
【連結事業】水産食品7(0)、海外即席麺41(15)、国内即席麺22(7)、低温食品12(10)、加工食品5(1)、冷蔵5(8)、他8(2)【海外】41 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 417,511 36,460 38,697 29,070 284.6 90
連22. 3 361,495 29,737 31,834 22,414 219.5 90
連23. 3 435,786 40,330 43,724 33,126 324.4 100記
連24. 3予 475,000 61,000 66,500 50,000 489.6 120
連25. 3予 495,000 67,000 72,000 53,500 523.9 120~130
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 547,267
自己資本 432,557
自己資本比率 79.0%
資本金 18,969
利益剰余金 353,849
有利子負債 392
PER PBR 利回り 信用倍率
16.8 1.03 1.47 0.63

【連続最高益】海外即席麺は節約需要強く米国など牽引。国内即席麺は値上げ効く。低温食品も着実。営業増益幅拡大。25年3月期も低温食品は焼きそば3人前など堅調増。即席麺は国内外とも数量増。原料高の影響薄れ、最高純益更新続く。連続増配も。
【対 策】2月時点で値上げ予定なく、国内主力ブランドの数量増に注力。CMや新商品、キャンペーン投入で価格定着狙う。
【買い】株価は大きく上昇しているものの、それ以上に業績が好調。PER、PBR共にこれからの業績の伸びを考えると短期では下落の可能性はあるものの中長期では上昇していく可能性が高い。

 

2212 山崎製パン 株価 3,780円
【特色】パン大手で国内シェア4割。菓子パンが柱。コンビニも展開。子会社に不二家、サンデリカなど
【連結事業】食品93(4)、流通6(-2)、他1(5) <23・12>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連19.12 1,061,152 24,824 27,621 13,858 63.8 20
連20.12 1,014,741 17,438 19,734 6,956 32.0 22
連21.12 1,052,972 18,359 21,382 10,378 48.6 22
連22.12 1,077,009 22,032 26,127 12,368 59.1 22
連23.12 1,175,562 41,962 45,526 30,168 146.2 25
連24.12予 1,223,000 48,000 51,000 31,500 155.5 28
連25.12予 1,270,000 51,000 54,000 33,300 164.4 28~32
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 802,035
自己資本 400,137
自己資本比率 49.9%
資本金 11,014
利益剰余金 343,395
有利子負債 72,298
PER PBR 利回り 信用倍率
24.3 1.93 0.74 0.73

【最高益】菓子パンは主力品の刷新や総菜系パン投入し単価伸ばす。食パンも扱い店数広げ増勢。コンビニ赤字縮小。不二家は前期の一時費用減り持ち直す。ベーカリー等も改善。原料高こなし最高純益。連続増配。
【対 策】食パン『ダブルソフト』は若年層狙い刷新、2枚入りも投入。洋菓子に続き和菓子も女性向けの開発強化。ベーカリーは機会・廃棄ロス削減や業務見直し進める。
【積極的な買いではない】値上げにより利益率は上がっているものの、販売量自体が落ちている。現状ではそこまで大きな業績の伸びは期待できない。PER、PBRを見ても現在の株価も少し高めに推移しているため、積極的に買う銘柄ではない。

 

菓子

2269  明治ホールディングス 株価 3,549円
【特色】明治製菓と明治乳業が09年統合。11年に国内首位の乳業、菓子と医薬品に再再編。海外拡大中
【連結事業】食品81(6)、医薬品19(11)【海外】12 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3* 1,191,765 106,061 110,176 65,655 226.3 80
連22. 3* 1,013,092 92,922 93,985 87,497 303.6 85
連23. 3* 1,062,157 75,433 74,160 69,424 247.4 90
連24. 3予 1,098,500 80,000 78,000 51,000 182.7 95
連25. 3予 1,150,000 83,000 80,500 54,000 193.5 95~100
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 1,235,981
自己資本 751,340
自己資本比率 60.8%
資本金 30,000
利益剰余金 620,429
有利子負債 81,172
PER PBR 利回り 信用倍率
20.6 1.32 2.68 3.66

【復 調】食品は値上げで数量減も採算改善効果が勝る。医薬品は『メイアクト』など抗菌薬に勢い。営業益上向く。25年3月期は前期の食品値上げがフル寄与。医薬品は抗菌薬続伸。海外で受託生産の好調続く。
【新工場】バターなど製造する新工場を北海道に建設。投資額約480億円で4月着工、27年3月に稼働へ。食品の海外事業拡大施策など含む新中計を5月に公表予定。
【積極的な買いではない】

 

2206  江崎グリコ 株価 4,141円
【特色】『ポッキー』などチョコ、ビスケット菓子メーカー大手。冷菓や乳製品、加工食品も。海外も展開
【連結事業】健康・食品15(4)、乳業21(1)、栄養菓子19(11)、食品原料4(18)、国内他20(3)、海外21(6)【海外】21 <23・12>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連19.12変 288,187 15,605 17,002 12,047 185.3 60
連20.12 344,048 18,523 19,641 11,836 182.5 65
連21.12 338,571 19,307 21,708 13,519 208.4 70
連22.12 303,921 12,845 13,646 8,099 126.6 80記
連23.12 332,590 18,622 21,285 14,133 222.3 80
連24.12予 351,000 19,000 21,500 15,000 235.9 90
連25.12予 365,000 20,500 23,000 16,000 251.6 90~95
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 395,743
自己資本 262,543
自己資本比率 66.3%
資本金 7,773
利益剰余金 226,230
有利子負債 30,001
PER PBR 利回り 信用倍率
17.6 1.00 2.17 2.38

【償却負担】主力ポッキー、プリッツが堅調持続、価格改定効果も発現。冷菓は高水準、ヨーグルトやアーモンド飲料も着実増。ただ原材料高続き、マーケ費用増や基幹システムの償却負担増重い。小幅増益。増配。
【稼 働】投資額340億円の基幹システムが4月稼働、業務標準化や課題の早期発見など狙う。ヨーグルトはブランド構築、アーモンド飲料は新製品含め定着へ訴求。

 

2201  森永製菓 株価 2,544円
【特色】菓子大手。日本初のチョコレート一貫製造開始。菓子、冷菓が主力。健康食品、海外事業を育成中
【連結事業】食料品製造95(8)、食料卸売3(4)、不動産及びサービス1(44)、他0(7)【海外】11 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3* 199,990 19,162 19,767 13,405 133.3 40
連22. 3* 181,251 17,685 18,247 27,773 276.3 45
連23. 3* 194,373 15,235 15,757 10,059 104.4 50
連24. 3予 210,000 19,500 20,150 14,200 156.7 55
連25. 3予 230,000 21,000 21,400 15,200 167.8 55~60
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 212,059
自己資本 127,435
自己資本比率 60.1%
資本金 18,612
利益剰余金 87,927
有利子負債 19,000
PER PBR 利回り 信用倍率
16.2 1.81 2.16 3.18

【堅 調】冷菓は秋冬の需要増。菓子は受験期にブドウ糖人気高まりラムネが好調。価格転嫁進展。25年3月期は米国消費減退でハイチュウ停滞。ただ国内菓子・冷菓が数量堅調。値上げで原料高こなす。増配か。
【価格改定】4月にキャンディーやチョコ等約3~18%値上げ。カカオや砂糖価格の高騰に対応。氷菓子『アイスボックス』は酒の割り材としての使用提案、冬の需要喚起。

 

2229  カルビー  株価 3,456円
【特色】スナック菓子最大手。ポテトチップスやじゃがりこ、シリアルなど展開。米、中、英など海外展開
【連結事業】国内スナック菓子64、国内シリアル食品8、国内他食品5、海外食品製造販売24【海外】26 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 266,745 27,064 27,522 17,682 132.3 50
連22. 3 245,419 25,135 26,938 18,053 136.3 52
連23. 3 279,315 22,233 23,460 14,772 115.2 52
連24. 3予 304,000 28,800 31,300 19,700 157.8 56
連25. 3予 322,000 31,800 32,800 20,600 165.0 56~58
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 279,606
自己資本 186,650
自己資本比率 66.8%
資本金 12,046
利益剰余金 188,986
有利子負債 29,334
PER PBR 利回り 信用倍率
24.0 2.31 1.62 2.51

【続 伸】海外は英国、インドネシア軸に増勢。国内スナックは値上げ浸透で牽引。原材料高こなし営業増益幅拡大。為替差益。25年3月期はじゃがりこなどスナック主力品を6月値上げ。マーケ関連や原材料、包材など費用増こなし最高純益。連続増配も。
【訴 求】60周年のかっぱえびせんは地方紙広告やチラシで年配層にも訴求。DX活用した需要予測や能力増強など進める。

 

2226 株式会社湖池屋  株価 4,820円
【特色】日本初の量産化に成功したポテトチップスなど菓子中堅。粒菓子も。親会社は日清食品HD
【連結事業】スナック菓子99、タブレット菓子1【海外】11 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 6 40,205 1,665 1,687 1,161 217.7 60
連22. 3変 30,395 1,089 1,142 758 142.2 45
連23. 3 44,574 1,774 1,807 1,164 218.4 65
連24. 3予 53,500 3,600 3,500 2,120 397.5 100記
連25. 3*予 55,000 3,800 3,700 2,240 420.0 *100~110
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 35,664
自己資本 16,704
自己資本比率 46.8%
資本金 2,269
利益剰余金 12,201
有利子負債 928
PER PBR 利回り 信用倍率
25.7 3.08 1.04 3.50

【最高益】国内のポテチ・コーンは値上げ後の数量が想定超。海外黒字化。下期に販促費等重いが営業益再増額。70周年配。25年3月期も国内外で定番商品堅調、高価格帯増勢。人件費・償却費増かわし営業益伸長。連続最高純益。記念配剥落も増配期待。
【新機軸】日清食品と共同開発の『完全メシ カラムーチョ』発売。健康意識の高まり受け食事代替のヘルシースナック注力。

 

2220 亀田製菓  株価 4,105円
【特色】せんべいなど米菓首位。海外はベトナム、タイ、中国、米国で展開。傘下に保存食の尾西食品
【連結事業】国内米菓71(5)、海外15(-4)、食品7(5)、他7(3)【海外】14 <23・3>

【業績】 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21. 3 103,305 5,620 6,889 4,757 225.6 53
連22. 3 85,163 4,863 6,099 4,428 210.1 54
連23. 3 94,992 3,564 5,215 1,892 89.8 55
連24. 3予 97,500 4,400 5,700 3,240 153.7 56
連25. 3予 100,000 5,100 6,100 3,470 164.6 56~57
【財務】<連23.12>   百万円
総資産 116,117
自己資本 67,217
自己資本比率 57.9%
資本金 1,946
利益剰余金 59,987
有利子負債 21,970
PER PBR 利回り 信用倍率
39.3 1.29 1.36 2.31

【続 伸】国内米菓は主力商品堅調。値上げでコスト高騰分吸収。北米事業の立て直し費用かさみ利益やや下振れ。大型減損ない。25年3月期は国内米菓着実。海外も北米事業黒字化効き好転。保存食増勢。原材料や光熱費重いが、営業益続伸。連続増配か。
【特 需】能登半島地震後に企業や個人の保存食購入が急増しフル生産で対応。くず米高騰受け、米菓は24年度の再値上げ検討。

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